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生活習慣病を予防する食生活
「健康で長生き」は誰しも望むところですが、この世はとかく不条理です。 最近、タバコは今まで吸ったことはない、必ず禁煙車に乗る、 家人・客の室内喫煙は固くご遠慮願うという40代の女性が肺がんで亡くなりました。 タバコが肺がんに関係があることは間違いありませんが、世人はタバコに罪を負わせ過ぎています。 もっと重要なものがあります。それは日常茶飯(毎日の食事)です。 あなたが毎日食べているものがあなたががんで死ぬかどうかを決めるのです。 わたくし達は酸素を吸って生きている生物です。 酸素を利用するかぎり、がんは「避けられない病気」なのです。 からだの中にがんができても、がんが命取りにならなければいいわけです。 がんを抱えながらも80-90歳まで生きれば不条理とはいえません。そんなことができるかって?  できるのです。がんは「避けられない病気」であると同時に「予防可能な病気」でもあります。

以下の文章を批判的にお読みください。
ご質問、ご意見を歓迎します。

 

牛乳の魔力・最新版
(随時更新)

目次

牛乳ーこの白い液体の正体(1)
日本人と牛乳
日本古来の食文化には牛の体液(ミルク)を食用に供するという伝統・風習はなかった。もちろん、日本の農村でも牛馬は飼われていた。しかし、日本の牛馬はもっぱら農耕・運搬用であって、その乳汁を飲んだり、屠畜して肉を食ったりするなどということはなかったのである。ところが現在、日本人が年間に消費するコメは800万トン程度であるが、乳・乳製品の消費量は約1200万トンにものぼっている。なんと、日本人の乳・乳製品の消費量はコメの消費量を大幅に上回っているのである。日本人は米食民族にあらずして乳食民族になってしまった!
(最終更新:2010年12月20日)

 

牛乳ーこの白い液体の正体(1のつづき)
女性を対象にする栄養疫学の研究は真実を見逃す
栄養調査は当てにならない。男女のいずれにも当てはまることだが、とくに女性を対象にした食事と病気に関する研究(栄養疫学研究)は真実から遠い。それどころか、疫学研究が真実とは逆の結論を導いてしまうことすらある。最大の理由は女性が自分の食べているものを正直に答えてくれないからである。女性は、体重と同様に、自分の食事について本当のことを言いたくないようだ。現在の栄養調査では、女性の乳・乳製品(バター・クリームたっぷりのスウィーツ)の摂取量は驚くほど過小評価されている。疫学研究で前立腺がんと乳・乳製品の関係が明らかになっているのに、乳がんと乳・乳製品の関係が今ひとつはっきりしないのは女性を対象にした栄養調査が極めて難しいからである。
(更新;2010年12月10日)


牛乳ーこの白い液体の正体(2)
現代牛乳の魔力ー牛乳は妊娠した牛から搾られている
現代酪農の乳牛は大量のミルクを分泌している最中に人工授精で妊娠させられる。現代の乳牛は妊娠しながらも大量のミルクを出す。酪農家が濃厚飼料を与え、搾乳器で吸乳し続けるからである。現代のミルクは、大量の女性ホルモンが含まれている妊娠牛の「白い血液」で、ホルモン作用を示す。日本の子どもたちは毎日、体内産生量と同等あるいはそれ以上の女性ホルモンを乳・乳製品から摂りつづけている。このようなミルクを飲んで育った「団塊ジュニア(1971〜74年生れ)」はまともな性成熟を遂げただろうか。
不気味である。

(最終更新;2010年12月20日)

 

牛乳ーこの白い液体の正体(3)
牛乳と乳がん
乳がんはアジアに比べて圧倒的に欧米に多い病気である。欧米とアジアでなぜこんなに違うのか。欧米人の生活そのもの(食生活)に乳がんの原因がある。食生活で、欧米とアジアで最も大きく違うのは乳・乳製品の摂取量である。乳がんは欧米諸国の風土病で、バターとクリームの香りに満ちた食生活(バタ臭い食品を食べる)が乳がん流行の主要因である。最近では、乳がんが全世界に蔓延するようになった。乳がんの発生がアジア・アフリカにまで広がったのは、乳・乳製品の消費が世界的規模で拡大したからである。バターとクリームの香りが全世界を覆うようになったのだ。西洋文明が世界を制覇した
と言うこともできる。
(最終更新;2011年1月23日)

 

牛乳ーこの白い液体の正体(4)
検診の戒めー乳がんの過剰診断
がん検診によって治療の必要がない「がん」が健康な人に発見される現象を「過剰診断」という。換言すると、過剰診断とは検診を受けなかったら生涯にわたって発見されなかったであろう「がん」が検診によって発見されることをいう。乳がん検診(マンモグラフィ)の泣きどころは過剰診断の多いことにある。海外の報告によると、マンモグラフィによる過剰診断は乳がん3〜4件に1件の割合という。さらに、検診によって過剰診断された乳がんのほぼ全例が本来必要のない治療(=過剰治療)を受けており、検診が多数の過剰治療を招いているという。過剰診断はゆっくり進行するがん(典型は乳がんと前立腺がん)の検診に多い。スクリーニングにPSA(前立腺特異抗原)検査が用いられる前立腺がんの過剰診断はマンモグラフィによる乳がんの過剰診断よりさらに多い。
(最終更新;2011年1月23日)



牛乳ーこの白い液体の正体(5)
牛乳カルシウムの真実
1) カルシウムは十分足りている!
2) 牛乳を飲んでも背は伸びない
3)
牛乳と骨粗鬆症 −日本と西洋−
4) 牛乳は骨粗鬆症を予防しないどころかかえって助長する
5) 仮説:牛乳・乳製品が心筋梗塞を招く
<付録> モンゴル遊牧民の乳搾り

(最終更新;2011年2月11日)

 

 

日本人は炭水化物(糖質)を制限してはならない

『米と糖尿病』に対する読者の感想

読者の反論に対する著者の回答

(2010年10月6日)



『乳がんと牛乳ーがん細胞はなぜ消えたのか』

ジェイン・プラント 著
      佐藤章夫 訳
径(こみち)書房 2008年10月6日発行
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(2008年10月6日)



文部省の大罪 ― 学童・生徒に対する牛乳の強要
文部科学省は、日本の子どもを犠牲にして、業界(酪農、乳業)の保護に走っている。牛乳・乳製品は嗜好品である。飲みたい・食べたいという人は飲みかつ食べればよい。そんなことは個人の勝手である。もし、牛乳に骨成長を助け、骨粗鬆症を予防する機能があるというのなら、乳・乳製品は特定保健用食品(トクホ)である。酪農業界と乳業メーカーは乳・乳製品を「特定保健食品」あるいは「栄養機能食品」として申請をすべきだ。古今東西、国民にある特定の食品を強要した国家が存在しただろうか。健康志向の強かったナチス・ドイツでもこんなことはしなかった。日本(旧文部省、現文部科学省)だけだろう。
(2009年4月6日)


 
官製国策乳害ー不妊症
日本政府が、「牛乳を飲めば背が伸びる」などという迷い言で、思春期の学童・生徒に妊娠牛から搾ったホルモン入り牛乳を強制的に飲ませたことは罪深い。思春期は精巣の成長に最も重要な時期である。国策乳害による官製不妊症が現在の少子化を招いているのかもしれない。
(2009年3月30日)

 

牛乳の歴史
日本人は、ヨーロッパ人は2000年も昔から牛乳を飲んでいると思っている。それは事実ではない。ヨーロッパで牛乳飲用が始まったのはわずか150年前のことに過ぎない。それまで牛乳はバターとわずかなチーズを作るために搾られていた。このような歴史的事実は食品業界や牛乳業界にはマイナスなのであろう。現在では摂取エネルギーの30−50%を占めている酪農製品であるが、ヨーロッパ人はずっと長い間ほとんど牛乳製品と無縁で生きてきた。だから、酪農業界は牛乳の歴史を無視し続けたのある。
原典:Milch besser nicht 2nd Edition, Maria Rollinger
著者マリア・ロリンゲルによる要約

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(2007年6月22日)

乳・乳製品の女性ホルモンは健康に確たる影響を与える
2006年8月18日の毎日新聞夕刊が「乳・乳製品中の女性ホルモン」を一面トップに取り上げた。この記事を受けて、9月16日に日本経済新聞も「牛乳論争」を取り上げた。両紙の記事に対する反論は本ホームページの「牛乳と日本の少子化」に「乳・乳製品の女性ホルモンは「微々たるもの」ではない」という一文を付記したが、場所柄見にくいというご意見をいただいたので、文章を改定してトップに搭載する。
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(2007年5月26日)

子どもに牛乳を飲ませても骨は丈夫にならない(訳文)
このページが読みにくいようでしたら次ぎのページへ移動してください。
栄養学の研究には胡散臭いものが多い。その研究は時間と金がかかる割に評価が低い。金が集まらない。いきおい、食品業界が資金を提供する。援助を受けた研究者は業界に好都合な結果を出す。まさか、研究者ともあろうものが業界に不都合な結果を発表しないなんてと思うだろうが、業界は具合の悪い結果を出した研究者には2度と資金を提供しないのである。その結果、業界に都合のよい研究結果だけが集積する。酪農業界・乳業メーカーの「骨粗鬆症の予防に牛乳のカルシウムを!」という主張はこのような研究に基づく。
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(2007年2月1日)

牛乳カルシウムの真実
牛乳が人間の食品として相応しくない理由の一つは多量のカルシウムを含むことである。牛乳・乳製品で骨粗鬆症を予防することはできないどころか、多量に摂れば動脈硬化、心筋梗塞を招く。子どもに対するカルシウム摂取基準は高過ぎる。食育の最重要課題は一刻も早く学校給食から牛乳をなくすことである。アイスクリーム・ソフトクリームは牛乳より多量のカルシウムを含んでいる。
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(2006年12月25日)

「牛乳、ホルモン、健康」に関する国際ワークショップ
現代の牛乳は妊娠した牛から搾られているから、多量の女性ホルモンを含んでいる。ヨーグルト、バター、チーズ、クリームなどはすべてホルモン入り牛乳からつくられている。牛乳・乳製品のとり過ぎは精巣発育不全症候群(停留精巣、尿道下裂、精巣がん、精子減少)を起こし、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がんを招く。日本人の精子の質・量は世界最悪である。現在進行中の日本の少子化は生まれたときから飲まされてきた牛乳が関係しているであろう。
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2006年12月7日)


牛乳と日本の少子化
〜日本人は何を食べたらよいか(抜粋)〜
現代の牛乳は女性ホルモンを多量に含む。団塊ジュニアが産む子どもの数は団塊世代が産んだ子どもの半分になったしまった。日本人の精子の質・量が世界最悪なのはホルモン入り牛乳を幼いときから強制的に飲まされてきたためではないだろうか。日本が酪農技術を学んだ酪農王国デンマークでただならぬ事態が起こっている。デンマークで起こっていることは環境ホルモン(外因性内分泌撹乱化学物質)によるものではない。
日本の男の子は体内産生量とほぼ等量の女性ホルモンを乳・乳製品から毎日摂りつづけている。

毎日新聞(8月18日)および日経新聞(9月16日
)への反論
子どもに牛乳を飲ませない!

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(2006年
12月7日)


 
日本人は何を食べたらよいか(最新版)
〜日本人と牛乳〜
生活習慣病を招く食生活の欧米化の本質は、日本人が牛乳・乳製品を飲みかつ食べるようになったことである。この変化は文部省が学校給食法をつくって子どもに牛乳を強制的に飲ませるようになったことから始まった。牛乳・乳製品は、タバコ・アルコールと同じ嗜好品である。好きな人だけが飲み食いすればよい。古今東西、国民にある特定の食品を強要した国家が存在しただろうか。健康志向の強かったドイツ・ナチスでもこんなことはしなかった。日本(旧文部省、現文部科学省)だけである。
子どもに牛乳を飲ませない! 牛乳を飲まない!

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(2006年12月12日)


食に関する一日一話(1)
〜牛乳について〜

人間はカルシウムを取り込むことよりも捨てることに懸命である。脊椎動物は体内に入ったカルシウムを捨てるために骨格というカルシウムの捨て場所をつくって進化してきた生き物である。アメリカ人が日本人より大きいのはカルシウムのゴミ箱(骨格)が大きいからに過ぎない。このゴミ箱の大きさは遺伝によって決まっている。ゴミ箱の小さい日本人がいくらカルシウムを摂ったところで、体格がアメリカ人並みになるわけではない。日本人がカルシウムを摂りすぎると困るのだ。骨粗鬆症、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、精巣がん、前立腺がんは牛乳・乳製品のとり過ぎによって起こる。
牛乳を飲まない! 乳製品を食べない!

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(2006年12月12日)

食に関する一日一話(2)
〜糖尿病〜
食生活の欧米化で見過ごされているのは糖質摂取量の減少である。糖質は組織のインスリン感受性を高める。糖質の減少はインスリン分泌の過剰を招き、結果として糖尿病を誘発する。インスリンを要する糖尿病患者が糖質摂取量を増やすと、インスリンの必要量が少なくなる。糖尿病の予防も治療も「穀物+大豆+野菜(+魚)」の食生活である。
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(2006年12月24日)


食に関する一日一話(3)
〜なぜ、肉を食べてはいけないか〜
「このごろハムたらソーセージたら言うもんが出来とうやろ、人間ほどむごいものはあらへん、牛でも鶏(とり)でもあないなもんにしてしもて、平気で喰うて行くんやが」(車谷長吉「塩壷の匙」1995年11月、新潮社)。ひとの食物としては鳥類は哺乳類よりましで、魚類は鳥類に比べてさらによい。ひとの食物はヒトからの遺伝的距離が離れているものほどよい。つまり、ひとの食物として最良なのは植物である。
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(2006年12月28日)


食に関する一日一話(4)
〜30歳を過ぎて子どもの欲しい女性へ〜
〜不妊で悩む女性の食事〜

不妊治療を受けている女性や30歳を過ぎて子どもが欲しいとおもう女性は牛乳・乳製品をできるだけ遠ざけなければなりません。日本人の食事は古来、「穀物+大豆+野菜(+魚介類)」でバター・クリームの香りのするものは一切ありませんでした。「バタ臭いもの」を避ける食生活を続ければ、35歳を過ぎても子宝に恵まれるでしょう。もっとも相手の男にそれなりの生殖能力があっての話ですが。女性ホルモンは、牛乳・パン・バターだけでなくアイスクリーム・チョコレート・ケーキなども含まれますからご注意を!
デンマークで行われた調査によると、母親が不妊治療を受けて生まれた男性の精子の量と質は自然妊娠で生まれた男性に比べて劣っています。不妊治療による不妊スパイラルが始まっています。

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(2007年5月31日)


日本人の食生活 1
特にお急ぎの方へ

日本人の食生活 2
お急ぎの方へ

日本人の食生活
さらに詳しく知りたい方は次ぎへ

    牛乳 −この魅惑的な白い液体の魔力

    乳糖分解酵素(ラクターゼ)活性持続症


    牛乳と骨粗鬆症


    植物食

    穀物食の威力 その1

    穀物食の威力 その2

    穀物食の威力 その3

    食育 ー子どもにバタ臭い食品を与えないー

    がんについて

    男女共同参画型社会の実現に向けて

    雑穀食・農耕民族の旺盛な性能力−小林一茶の交合記録
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    (2007年2月7日)


    現代医療


    地球カレンダー


    糖質の効用 その1


    糖質の効用 その2


    なぜ、哺乳類を食ってはいけないか その1


    なぜ、哺乳類を食ってはいけないか その2


    モンゴルの遊牧


    女性ホルモンと男性生殖器


    牛乳と男性生殖器の癌(前立腺がんと精巣悪性腫瘍)


    狂牛病(BSE、牛海綿状脳症)


    牛乳と乳がん

    提案ー安全なこどもミルク(牛乳)をつくる

日本人と牛乳(決定版)
(産業医学ジャーナル2005年9月号に掲載されたののを加筆修正:更新:2005年10月10日)
詳しくは次ぎの「牛乳と学校給食」をお読みください。

牛乳と学校給食(日本人は何を食べたら良いか)
牛乳の嫌いな子どもに牛乳を無理強いしないでください。牛乳好きな子どもにも「咽が乾いたら水替りに牛乳を飲みなさい」などとは決しておっしゃらないでください。
(藤原書店刊 「環」Vol.16 [2004年]に加筆修正. 更新:2005年1月23日)
糖尿病
アジア人の身体が「もっと糖質が欲しい」と泣いている。「低インスリンダイエットあるいは低炭水化物ダイエット」というまやかしにご注意を!

    糖質摂取量の減少が糖尿病を招く
    印刷はこちら(2007年2月7日)
    (綜合臨床56 (1): 55-7, 2007)

    糖尿病研究の先達ヒムスワース


    糖質が足りないと糖尿病になるーヒムスワ−スの研究


    食生活と糖尿病


    糖尿病の食事療法


    高糖質食の有効性をめぐる討論


    糖質の減少が糖尿病を招く ― 実験的検証


    私の食事

 

 


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山梨医科大学名誉教授 佐藤章夫