高糖質食の有効性をめぐる討論

糖尿病の治療は、食事療法、薬物治療(経口糖尿病薬とインスリン)、運動処方の組み合わせで行われるが、なんといっても食事療法が糖尿病治療の基本である。糖尿病患者には高炭水化物(糖質)食がよいか、低炭水化物(糖質)食がよいかに関しては1990年代に入っても議論が続いている。糖尿病患者の食事をめぐってフロリダ大学医学部のスタクプール(Stacpoole)とテキサス大学医学部のグランデイー(Grundy)が意見を交換している(1)。この討論を紹介する。


高炭水化物(糖質)食賛成論

スタクプールは高糖質食賛成の立場からはつぎのように述べている。糖尿病は、ほとんどの患者が数十年の経過をたどる慢性の全身性の代謝疾患である。したがって、その治療法の良し悪しは長期間に亘る安全性と有効性に基づいて判定されなければならない。糖尿病患者に一旦動脈硬化が発生したら、いかなる食事療法あるいは薬物治療を用いてもそれを元にもどすことはできない。高糖質が健康に良いという見解は、主として糖尿病患者以外の集団から得られたものであるが、糖尿病患者の食事療法としても最適であるという証拠は十分ある。糖尿病の食事療法に関する研究は多数行われているが、これらの研究にはいくつかの共通する欠陥がある。これらが、糖尿病の食事療法に関する混乱の原因となっている。
1)ほとんどの研究は2-4週間という短期間の観察であり、その研究結果を糖尿病の食事療法に当てはめることは困難である。糖尿病患者の食事管理は一生涯継続するものであるから、観察期間が数ヵ月ム数年行われたものでなければ評価が難しい。
2)注意深い計画のもとに行われた観察であっても、中には液体食などの不自然な食事が用いられた研究もあり、長期間の糖尿病患者の食事管理には不向きである。
3)これらの研究の中には、食事内容を同時にいろいろ換えたものがあり、どの変更が本当に意味をもつのか不明な研究もある。 4)外来患者を対象にした長期間の研究もあるが、これらの患者の食事が長期間にわたって指示通りに摂取されたという保証はない。
5)同一の患者に時期を変えて異なった食事を与えるという交叉試験を行った研究が少ない。
6)ほとんどの研究は現象を追いかけるだけで、機序にまで踏み込んでいない。食事による血糖、LDLコレステロール、中性脂肪などの変化を説明する生化学的背景の解明がなされていない。動脈硬化症は進行性の、経過の長い病態であり、糖質あるいは不飽和脂肪酸がいかなる機序でこの病態に影響を与えるのかという研究が不十分である。

このような点を考慮しながら、スタクプールは、2型糖尿病患者の食事における高糖質の有用性と安全性を論じている。以前から、高糖質食には総コレステロールおよびLDLコレステロールの低下作用があるとして推奨されてきたが、本来、2型糖尿病患者にはLDLコレステロールが高くなっているものは少ない。それでもなおかつこれらの患者に高糖質食を奬める理由は何だろうか。

ジョスリン・クリニック(糖尿病の研究で有名な医療機関)における研究や多要因介入研究(Multiple Risk Factor Intervention Trial)によると、糖尿病患者は、血清コレステロールとは関係なく、冠動脈疾患を併発する危険性が高いという。

今までの研究によると長期間の高糖質食(=低脂肪食)が高コレステロール血症と冠動脈疾患の発生を抑えることは明確である。この点で注目すべき研究が中国で行われた(2)。農村あるいは都市に居住する乳児から老人にいたる健康な中国人の血清脂質が測定された。都市でも農村でも中国人の典型的な食事は65-70%が糖質であった。欧米人の基準からみると、中国人の総コレステロール値は非常に低く、しかもHDLコレステロール(善玉)は高値を保ちつつLDLコレステロール(悪玉)と血清中性脂肪が低かった。

高糖質食が血糖管理と血清脂質によい影響をもたらすのは、この種の食事が食物繊維を多量に含むからであって、高糖質と低脂肪の影響は二義的なものに過ぎないという意見がある。アンダーソンがこの繊維説の主唱者である(3)。しかし、彼らでさえ、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)における高糖質食による血糖コントロールの改善は繊維ではなく高糖質と関係が深いと述べている。また、食物繊維は血清脂質にほとんど影響を与えないという結果が最近繰り返し報告されている。糖尿病ではない、血清脂質の正常な人たちに食物繊維含有量の極端に異なる食事(0 - 60 g/日)を与えて、コレステロール摂取量が血清のコレステロールと中性脂肪に与える影響を検討した研究(4)によると、血清コレステロールに明らかな影響を与えるのは摂取するコレステロールであって、食物繊維は血清コレステロール値にはほとんど何の影響を与えなかった。

2型糖尿病患者には高中性脂肪血症を示すものが多い。高中性脂肪血症の患者にはHDLコレステロールの低いものが多いといわれている。したがって、高糖質食によって、はたしてHDLコレステロールが低下するかどうかはこの食事処方の有用性を論ずるにあたって重要な問題である。

よく引用はされるが、多分ほとんど読まれていない文献に、30年ほど前にランセットに発表された論文がある(5)。彼らは、高糖質食の血清中性脂肪に対する短期および長期にわたる影響を南アフリカの白人およびバンツー族において観察した。その結果をみると、血清中性脂肪があまり高くない被験者の食事を40%の脂肪を含む高脂肪食から脂肪含有率15%の低脂肪食(=高糖質食)に切り替えると、血清中性脂肪が一時的に上昇した。この中性脂肪の高値は数週間持続したが、4ヵ月以上経過すると血清中性脂肪値は高脂肪食を食べていたときの値よりも低くなった。

最近の高糖質食と脂質代謝に関する研究の観察期間は2-4週間である。したがって、高糖質食によって一時的に血清中性脂肪が高くなることがあっても不思議ではない。このような血清中性脂肪の一時的上昇は、急激に高糖質食に切り替えたときに生ずる生理的反応であって、長期間観察を続ければ元に復する可逆的なものである。

事実、上記の論文が世に出てから30年後に、食事中の糖質を徐々に増量すると血清中性脂肪の上昇はほとんど起こらないという研究が報告されている(6)。この報告によると、健康者において糖質の摂取量を45%から65%に7週間かけて増量したところ、中性脂肪には有意の変化は認められなかった。そればかりか、HDLコレステロールが多少低下しただけで、総コレステロールとLDLコレステロールが著明に低下した。1年におよぶ冠動脈疾患の患者に対する高糖質食の影響に関する研究でも、HDLコレステロールは変化せず、総コレステロール、LDLコレステロール、および中性脂肪が低下した(7)。

高糖質食は高中性脂肪血症を示す患者には望ましくないだろうと反論する人がいるかも知れない。しかし、原発性高中性脂肪血症の患者に3ヵ月間高糖質食を処方して、血清のHDLコレステロールが上昇するとともに総コレステロールと中性脂肪が低下したという報告がある(8)。糖質摂取量の非常に多い中国人では、HDLコレステロールのレベルが生涯にわたって、西洋人に比べて同程度かあるいは高値を示す(9)。

肥満した糖尿病患者には高糖質食を与えるべきではないと反論する人もいるだろう。この点に関しては、肥満した糖尿病患者について高糖質食と高脂肪食の脂質代謝におよぼす影響を比較した興味深い研究がある(10)。高糖質食は、HDLコレステロールに影響を与えることなく、総コレステロールとLDLコレステロールを有意に低下せしめた。血清中性脂肪値にも高糖質食による変化は認められなかった。

健康なピマ・インデイアンと白人について同じような観察を行った研究もある(11)。ピマ・インデイアンには2型糖尿病が多い。ピマ・インデイアンの伝統的な食事は糖質が多く、総摂取エネルギーの70%に達する。しかし、この伝統的な食生活から欧米人の脂肪の多い食事を採用するようになって糖尿病患者が増えたと言われている。伝統的な食事を現代風の高脂肪食に切り替えて2週間すると、耐糖能が悪化するととともにb細胞の糖に対する感受性が有意に低下した。LDLとHDLコレステロールが上昇したが、血清中性脂肪のレベルは変化しなかった。

つぎに、高糖質食反対論者が反対の論拠として「高糖質食は2型糖尿病患者のインスリン感受性あるいはb細胞の機能を障害する」という説を唱えることがある。20年ほど前、ブランゼルは軽症の糖尿病患者の食事を非常に糖質含有量の多い食事(糖質85%)に切り替えると、血糖値が下がるとともに血清インスリン濃度が低下するという研究結果を発表した(12)。

過去20年の間に、1型糖尿病患者、2型糖尿病患者、および健康者において、高糖質食がインスリンの感受性を高め、グルコースの体内消費が促進されることが多数の研究者によって確かめられてきた。たとえば、高糖質食によって2型糖尿病患者の空腹時血糖値が下がり、24時間に排泄される尿糖が減少し、末梢組織のインスリン感受性が高まるという報告がある(13)。また、老人では加齢による生理的現象としてインスリン感受性とb細胞の反応性が低下するが、この低下が高糖質食によって抑制されるという研究結果も報告されている(14)。

結論を述べると、2型糖尿病患者の食事はまず第一に望ましい体重を維持するように総エネルギーを調整したものでなくてはならない。第二に食事内容は複合糖質を主体とし、脂肪を大幅に減らし、かつ一価あるいは多価不飽和脂肪酸を主成分とする油脂を中心にしたものにする必要がある。

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高炭水化物(糖質)食反対論

一方、グランデイーはつぎのような高糖質食反対論を述べている。米国糖尿病協会の高糖質食推奨と時期を同じくして、米国健康研究所(NIH)の2型糖尿病患者の運動と食事に関する委員会は、高糖質食はHDLコレステロールを減少させ、中性脂肪を増やすことによって、一部の糖尿病患者に悪影響をもたらすことがある、という統一見解を発表した(15)。この見解は多方面で議論を呼び起こした。スタクプール博士によると、この米国健康研究所の見解は間違っている、ということになるが、博士の論証は万人を納得させるものではない。

糖尿病患者の食事構成として、蛋白質15%については異存はない。問題は、3種類の脂肪酸(飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸)の混合比をどうしたらよいかということと、糖質と脂肪の割合をどうするかということである。疫学研究、臨床研究、さらには動物実験において、飽和脂肪酸が血清コレステロールを高める主たる要因であることが知られており、飽和脂肪酸を制限することにも異存はない。(米国糖尿病協会の勧告では飽和脂肪酸は7%となっている。)

多価不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸の代わりになり得るだろうか?多価不飽和脂肪酸の有効性を支持する疫学的証拠はない。それどころか、多価不飽和脂肪酸が総摂取エネルギーの10%を超えると問題があるという指摘がある。多量の多価不飽和脂肪酸はHDLコレステロールを下げ、胆石を生ずる可能性があり、動脈硬化の発生機構でもあるLDLコレステロールの酸化を促進する(16)。動物実験では、多価不飽和脂肪酸は発がんを促進し(17)、免疫機構を抑制する(18)。このようなことから、大多数の研究者は、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸だけで置き換えることに反対している。多価不飽和脂肪酸の摂取量は総摂取エネルギーの7%前後にとどめるべきであるということでほとんどの研究者の意見は一致している。

もし、糖尿病患者の食事として高脂肪食を採用するとすれば、脂肪を増やすためには一価不飽和脂肪酸(要説明)が唯一の選択肢となる。一価不飽和脂肪酸の多い食事は多価不飽和脂肪酸の多い食事と同程度に総コレステロールを減少させた(19)。しかし、多価不飽和脂肪酸の多い食事は、一価不飽和脂肪酸の多い食事と異なって、HDLコレステロールも減少させた。したがって、高脂肪食では、一価不飽和脂肪酸を多くすることが望ましい。

一価不飽和脂肪酸それ自身にはコレステロールの低下作用はないが、飽和脂肪酸と置き換えるとHDLコレステロールに変化を与えることなく、LDLコレステロールを下げる。何よりの証拠は、一価不飽和脂肪酸含有量の多いオリーブ油を多量に摂取している地中海沿岸諸国の人々には冠動脈疾患とがんが少ないことである。
もう一つの問題は、糖尿病患者の食事の糖質を減らして、その分だけ一価不飽和脂肪酸を増やすべきかどうかということである。高糖質食と高一価不飽和脂肪酸食の脂質代謝におよぼす影響を比較した研究によると、一価不飽和脂肪酸食の多い食事によって総コレステロールとLDLコレステロールの低下がやや強くみられ、HDLコレステロールは不変であった(20)。一方、高糖質食によってHDLコレステロールが有意に低下するとともに、中性脂肪が増加した。

スタクプール博士は、これは4週間という短期間の研究で、もっと長期間観察を続ければ、HDLコレステロールが上がり中性脂肪は下がるはずだというだろう。スタクプール博士が述べられた南アフリカでの長期間研究(高糖質食によって一時的に中性脂肪が上昇するが、その後正常の値に戻る)がその後追試されていないのは不思議である。しかし、この問題には13カ国で実施されたウエストの疫学研究が答えてくれる(21)。この研究によると、健康な少年の血清中性脂肪の値は糖質の摂取量に比例するという。すなわち、高糖質食を摂取する集団では中性脂肪が高く、糖質摂取の少ない集団では中性脂肪が低かった。さらに、糖質摂取量の多い集団ではHDLコレステロールが低い。この比較研究の方が南アフリカでの研究よりも納得しやすい。[しかし、ウエストが比較したのは8-9歳の少年の血清脂質である。この傾向が成人まで持続するかどうか判らない。][]内は筆者。

糖尿病患者に高糖質食と高一価不飽和脂肪酸食をそれぞれ交互に28日間与えて、血糖と血清脂質のレベルを観察した研究がある(22)。高脂肪食は、脂肪が総摂取エネルギーの50%(うち一価不飽和脂肪酸が総エネルギー33%)、糖質35%、タンパク質25%からなる。高糖質食は、脂肪が総摂取エネルギーの25%(うち一価不飽和脂肪酸9%)、糖質60%、タンパク質25%である。高糖質食を摂取すると、1日の平均血糖値と中性脂肪が高く、HDLコレステロールが低くなり、総コレステロール/HDLコレステロールの比が高くなった。総コレステロール値は両方の食事で基礎値に比べて低下し、LDLコレステロールはほとんど変化しなかった。[糖質60%という食事は高糖質食ではない。]

さらに、糖尿病患者においてインスリン感受性を測定した実験では、インスリンによる血糖値の低下は、高一価不飽和脂肪酸食と高糖質食で差を認めなかった。グランデイーは、この実験結果から見る限り、高糖質食によって糖尿病患者のインスリン感受性が高まるという主張は信じがたい、と述べている。[何度も繰り返すが、糖質60%では高糖質食の効果は現われない。さらにこの研究は学会発表であって、論文になっていない。]

以上の点を論拠として、グランデイーは、米国糖尿病協会の勧告よりさらに多めの脂肪摂取量を糖尿病患者に勧めたいという。このことは、結果として糖質の摂取を制限することになる。グランデイーは、肥満した糖尿病患者であれば、体重を減らすために、初めの段階では脂肪の摂取量を制限することに賛成である、という。この減量期間中には糖尿病患者の糖質摂取量は多くなる。低エネルギー食をつくるには脂肪を減らす方が簡単だからである。しかし、その患者の体重が6ヵ月あるいは1年経っても減らなければ、その肥満した体にさらに糖質を押し込むようなことは止めた方がよい、というのがグランデイーの主張である。糖質を多くすることは、血糖と中性脂肪を高め、HDLコレステロールを下げるだけだという。グランデイーは、肥満していない糖尿病患者には、現在の勧告より脂肪を多くして、糖質を抑えた食事を勧めたいという。このような食事によって、中性脂肪の上昇を防ぎ、HDLコレステロールの低下を抑え、血糖を下げることができるという。[この論調からすると、グランデイーは糖尿病の専門家ではないようだ。事実、討論の中でグランデイーは「私は糖尿病の専門家ではないが、2型糖尿病の主たる代謝異常は末梢組織がグルコースをうまく処理できないことで、それは末梢組織のインスリン抵抗性によるものだと聞いている。もし、このことが事実なら、なぜ高糖質食がこの状態を悪化させないのか、私には理解できない」と奇妙なことを述べている。なお、グランデイーが一価不飽和脂肪酸食がよいとする根拠として言及している研究はすべてグランデイーグループの研究である。]

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両者の意見を聞いて

スタクプールは中国人の食事がベストだというし、グランデイーはイタリア人の食事が最良であるという。両者の意見に妥協点はないだろう。中国人の食事も、イタリア人の食事も結構である(ともに糖質が多い。中国料理は米飯と麺、イタリア料理はパスタとオリーブ油に代表される。多数の研究、とくに長期間の観察データは、高糖質食がほとんどの糖尿病患者に対して何ら悪影響をもたらさないということを物語っている。高糖質食はお勧めではないとする研究で、高糖質食と称している食事の糖質は総エネルギーの60%に過ぎない。このような研究から、高糖質食は人間に適応した食事で良い結果をもたらすという仮説を否定することはできないだろう。

今までの多数の研究を概観して、著者は、糖質75%、脂肪10%、タンパク質15%という食事が糖尿病の治療食かつ予防食であると考えるようになった。このような食事は、動物の肉やミルクでは作れない。植物食、とくに米を中心にした食事(米飯とおかず)なら容易である。しかし、アメリカではこのような食事はとても無理だ。脂肪の%エネルギーを20%にまで下げると、そのような食事はアメリカ人の好みに合わないという理由で拒否反応が起こる。

インスリンは同化ホルモンであるから、脂肪の生合成を促進する。インスリンは糖尿病患者に一層の肥満を引き起こす。高糖質食にするとインスリンの要求量がさらに増えるのではないかという疑問をお持ちの方もおられるだろう。しかし、高糖質食によってインスリンの必要量が増えないばかりか、かえって少なくなるのである。このような高糖質食の効果は高糖質食が多量の食物繊維を含むからだという研究者もいる。しかし、食物繊維がよいという研究はすべて短期間の観察結果である(3,23-25)。他の多くの報告は、糖質そのものが多くなることによって、末梢組織のインスリン感受性が改善されインスリン要求量が減る、と述べている。肥満した糖尿病患者は、糖質摂取量を増やすことによってインスリン必要量が減り、体重減少も期待できる。いずれにしても、糖質75%という食事は植物食であるから、高糖質食は必然的に高繊維食でもある。

また、2型糖尿病の本態=インスリン抵抗性という概念に振り回されているから次ぎのような質問もよくなされる。「糖尿病の主たる代謝異常は末梢組織でグルコースがうまく処理できないことであり、それは末梢組織のインスリン抵抗性によるものだ。もし、このことが事実なら、なぜ高糖質食がこの状態を悪化させないのか、私には理解できない」と(グランデイーの発した疑問である)。しかし、2型糖尿病患者の血清インスリンレベルは、その患者がインスリン注射を必要とするほどインスリン分泌能が低下してるのでなければ、必ずしも低くなっているわけではない。2型糖尿病ではインスリンが分泌されていることが多い。それどころか、糖尿病患者のインスリン濃度が高いこともある(高インスリン血症)。その機序は明らかではないが、高糖質食によってインスリン感受性が改善するのである。このことはヒムスワースの研究とブランゼルの研究の項で詳しく述べた。

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参考文献

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